バンコクのジュエリーフェアで仕入れる方法|初参加で迷った入場から、卸値を見て判断するまで(次回2027年2月)

会場の前までは来た。なのに、どこから入ればいいのかが分からない。

前回のバンコク・ジェムズ&ジュエリーフェアで、私たちが最初につまずいたのはそこでした。私自身も初参加で、ちょっとした迷子です。通訳さんに聞いてもらって、ようやく「まず入場の手続きが必要」だと分かりました。

会場エントランスの看板

▲前回(第74回)の会場エントランス。ここまでは着いたものの、どこで手続きをするのかが分からなかった場所です。

ジュエリーフェアは、全部を見て回る場所ではありません。入場の段取りを先に済ませ、見るエリアと「その場で確かめること」を決めてから歩く。そうすれば、聞いた卸値を日本での売値に置き換えて、その日のうちに仕入れの判断まで進められます。

ここでは、次回に向けた入場の準備、歩き出す前に決めておく4つ、卸値の見方を、私が初めて回った一日から手順に組み直しました。食事や夜の振り返りまで含めたその日の流れは、バンコク仕入れツアー2日目の記録に書いています。

バンコク・ジェムズ&ジュエリーフェアとは|次回は2027年2月23日〜27日

Bangkok Gems & Jewelry Fair は、バンコクで開かれる宝石・ジュエリーの見本市です。私が行ったのは、前回にあたる第74回です。前から気になっていた展示会で、かなり楽しみにしていました。

次回の第75回の概要は次のとおりです。

項目 第75回
会期 2027年2月23日〜27日
会場 クイーン・シリキット国際会議場(QSNCC)
開場時間 23〜26日は10:00〜18:00、最終日27日は10:00〜17:00

その次の第76回も、2027年9月7日〜11日に同じ会場で予定されています。

会期は5日間あるので、まず行く日を決め、そこから逆算して登録とカードの準備を進めるのが段取りとしては楽です。日程や時間は変わることがあるので、出発前に公式サイトで確かめておいてください。

手順1:会場へはMRTで。改札はタッチ決済のクレジットカードで通れる

私たちはアソーク駅で集合し、MRTで1駅のクイーン・シリキット国際会議場駅へ移動しました。乗る駅は泊まる場所によって変わりますが、降りる駅は同じです。会場は、この駅の3番出口から通路で直結しています。

MRTは、タッチ決済に対応したクレジットカード(Visa・Mastercard・UnionPay)で改札を通れます。海外で発行されたカードも対象で、入るときと出るときは同じ1枚をタッチします。

私は、改札でカードをかざすだけで乗れて、切符を買わなくていいのがとても便利だと感じました。日本の改札も全部これにしてほしい、と思ったくらいです。

迷ったときの判断はシンプルです。手持ちのクレジットカードが上の3ブランドのタッチ決済に対応しているなら、切符売り場には寄らずにそのまま改札へ。出るときに別のカードをタッチしないことだけ気をつけてください。

手順2:入場登録を済ませる。パスポートは原本を持っていく

会場に着いてから私たちが迷ったのは、この入場の手続きでした。通訳さんがいたので聞いてもらえましたが、ひとりで初めて行くと、ここで時間を使ってしまいがちです。

前回(第74回)の案内では、登録の方法は2通りありました。

  • 事前にオンラインで登録し、確認メールを持っていく
  • 当日、会場のロビーでQRコードを読み取って登録する(ウォークイン)

どちらの場合も、セキュリティチェックで身分証を見せ、カウンターで写真を撮ってバッジを受け取る流れです。外国人はパスポートの原本が必要で、コピーやスマートフォンで撮った写真では入れません。

入場ゲートでのパスポートスキャンの様子

▲前回の入口では、パスポートを読み取る機械の前に人が並んでいました。外国人は原本が必要です。

服装はビジネスかスマートカジュアルが条件で、短パン・サンダル・スリッパでは入れません。10歳未満も入場できません。バンコクの暑さにつられて短パンで出かけると、会場の前で引き返す羽目になりかねません。

初参加なら、事前登録を済ませておくのがおすすめです。私たちのように、着いてから「どこで何をすればいいのか」を考え始めずに済みます。次回分の登録フォームや手順は、公開されたら公式サイトで確かめてください。

Hall 1&2の案内板とパスポートスキャンブース

▲Hall 1&2の案内板。DIAMOND、GOLD、SILVER JEWELRYなど、扱う分野が並んでいます。中に入ったら、まずどこへ向かうかの目安になります。

手順3:歩き出す前に、4つだけ決めておく

手続きを済ませて中に入ると、ジュエリーの店がずらっと並んでいます。ここで一気にテンションが上がりました。

ブースが並ぶ展示会場内の通路

▲ブースが途切れずに続く通路。「何を探すか」が決まっていないと、どこで足を止めればいいのかが分からなくなります。

ただ、とにかく会場が広い。何も考えずに回ると、たぶん1日では回りきれません。

Hall 5-8案内板のあるモール内通路

▲「Hall 5-8」の案内板。会場はいくつものホールに分かれています。どのホールから見るかを決めておくだけでも、歩く量が変わります。

そこで私たちは、歩き出す前に次の4つを話し合いました。

  1. どのエリアを見るのか
  2. 何を探すのか
  3. 気になる商品があったら、その場で何を確認するのか
  4. どうやって次の取引につなげるのか

今回は、シルバー、ゴールド、ダイヤモンドを中心に見ていくことにしました。

925シルバーの指輪の陳列

▲「925 Silver」の表示が付いた指輪の陳列。シルバーは、この日に中心に見た分野のひとつです。

3と4の中身は、扱う商品や商売の規模で変わります。ここからは当日の私たちの話ではなく、これから行く人への提案です。たとえば「卸値」「その卸値になる条件」「連絡先」をその場で控える、というように、自分用の確認項目を行く前に書き出しておくと、ブースの前で迷いません。

この4つを先に決める意味は、時間の節約だけではありません。4つを決めて回った私でも、このあとデザイナーズエリアでは「売れそうなものが多すぎる」状態になりました。基準を持たずに歩けば、どの店も良く見えてきて、判断はなおさらぶれます。

手順4:卸値を聞いたら、日本での売値に置き換える

あるブースで卸価格を聞くと、レディースのシルバーブレスレットが200バーツでした。デザインもかわいい。私はその場で、日本なら3,000円前後でも狙えそうだと見立てました。仕入れ値のおよそ3倍です。これはあくまでその場の見込みで、日本で実際に売った数字ではありません。

天然石付きのブレスレットは100バーツ。思わず「え、これ100バーツ?」となりました。ネックレスも安かったです。

価格タグが付いたシルバージュエリーの陳列

▲バーツ表記の値札が付いたシルバーの陳列。値札を見たら、日本ならいくらで出せそうかを、その場で考えてみます。

ここで大事なのは、「安い」という驚きそのものではありません。聞いた卸値を、その場で日本での売値に置き換えて、「この差なら商売になるか」を考えることです。このブレスレットを3,000円前後と見立てたように、ひとつずつ置き換えていくと、安いだけの商品と、商売として扱えそうな商品が分かれてきます。その場で置き換えられた商品が多いほど、その日の成果は大きくなります。

値札の通貨も、店によって違いました。バーツで付けている店もあれば、ドルで「NET PRICE」と書いたタグを付けている店もあります。比べるときは、どちらかの通貨にそろえてから考えると、見立てがぶれません。

卸売価格タグが付いたブレスレットの陳列

▲こちらは「NET PRICE」とドルで書かれたタグ。通貨が違う値札を並べて見るときは、そろえてから比べます。

手順5:デザイナーズエリアとラボグロウンダイヤモンドも見ておく

会場にはデザイナーズエリアもありました。ここがまた面白い。ちょっと変わったデザインや、日本でも売れそうだと思う商品がかなりあって、見ているうちにどれが一番良いのか分からなくなるほどでした。売れそうなものが多すぎるんです。

もうひとつ、私がかなり気になったのがラボグロウンダイヤモンドです。展示会に普通に並んでいて、実物はとても綺麗でした。価格を聞くと、想像していたよりかなり安い。指輪やネックレスにして日本で販売したら面白いんじゃないか、と思いました。と思ったら、完成品も普通に売っていました。

ここに展示会の面白さがあります。完成した商品をそのまま仕入れる道と、素材を使ってオリジナル商品を作る道が、同じ会場に並んでいるんです。どちらで商売するかを決めておくと、同じブースでも見るところが変わります。完成品なら日本での売値との差を、素材ならどんな商品に仕立てられそうかを見る、という具合です。

決めきれないなら、まずは完成品を日本での売値に置き換えてみる。そのうえで「これで自分の商品を作れたら」と思える素材があれば、メモしておく。最初はそのくらいで十分です。

手順6:グループで行くなら、慣れたところで別行動にする

展示会は気づくとずっと歩いているので、お腹が減ります。この日の昼は、会場の中にあるタイ料理レストランで鶏のガパオライスにしました。

昼食のガパオライス

▲会場内のタイ料理レストランで食べた昼食。歩き続ける日なので、ここで一度ひと息つきます。

昼からもしばらくは一緒に回りました。朝から見ているうちに、参加者のみなさんも展示会の回り方に慣れてきます。そこで途中からは、それぞれが見たいところを自由に見る別行動にしました。アクセサリーを見たい人、天然石を見たい人、ダイヤモンドを見たい人。興味は人によって違うので、最後は自由に動いたほうが面白いと考えたからです。

来場者で賑わう展示会場内の通路

▲来場者でにぎわう会場内の通路。回り方に慣れてきたら、見たいもの別に分かれるのもひとつの方法です。

複数人で行くなら、最初は一緒に回って「何を見て、何を確かめるか」をそろえ、慣れてきたところで分かれる、という順番がおすすめです。見方がそろっていれば、別行動のあとで集まったときにも、同じ物差しで話ができます。

初参加で迷いやすいところ・失敗しやすいところ

  • 入り方が分からず、入口で時間を使う:入場には登録が要ります。初参加なら事前登録を済ませておくと安心です(手順2)。
  • パスポートのコピーやスマホの写真で行ってしまう:外国人は原本が必要です。
  • 短パン・サンダルで行ってしまう:服装はビジネス〜スマートカジュアルが条件です。
  • 基準なしに歩いて、売れそうなものが多すぎる状態になる:見るエリアと探す物は、入る前に決めておきます(手順3)。
  • 安さだけで判断する:卸値は、日本での売値と並べてはじめて判断の材料になります(手順4)。

もうひとつ、持ち帰りの扱いも見落としがちです。旅行者が日本に入国するときの免税は、個人的に使うと認められるものに限られるので、販売目的で仕入れた商品は対象になりません。手荷物で持ち帰る場合でも、税関で輸入の申告が必要です。

まとめ:当日までに用意すること・会場で決めること

ジュエリーフェアは、全部を見て回る場所ではありません。段取りを済ませ、見る範囲と確かめることを決めてから歩けば、聞いた卸値をその場で日本での売値に置き換えて、その日のうちに判断まで進められます。

出発前

  • 公式サイトで会期と登録方法を確かめる(初参加なら事前登録も)
  • パスポートの原本を用意する
  • 服装はビジネス〜スマートカジュアルにする
  • MRT用に、タッチ決済に対応したクレジットカード(Visa・Mastercard・UnionPay)を用意する

会場に入る前

  • どのエリアを見るか
  • 何を探すか
  • 気になる商品があったら、その場で何を確認するか
  • どうやって次の取引につなげるか

会場で

  • 聞いた卸値を、その場で日本での売値に置き換える
  • 値札の通貨をそろえて比べる
  • 完成品で仕入れるか、素材でオリジナル商品を作るかを意識して見る

参加した方からは「絶対また来たい」という声が出ていましたし、私自身も、タイ仕入れをやるなら定期的に来ても面白い場所だと思いました。次回の2027年2月も私は行きますし、仕入れツアーもやる予定です。

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